ワキガの悩みを抱えている人にとっては夏はあまりいい季節とはいえないかもしれません。
「わきの下の臭いや脇汗、衣類の黄ばみなどが気になってしまう」なんてこともあるかもしれません。
そんなワキガの症状を少しでも和らげるためにできる治療にはどんなものがあるのでしょうか。
大きくは保存療法と手術療法に分けることができます。
簡単に言うならば「保存療法」は自宅などで脇の下を清潔にしたり、デオドラント剤を使用したりというスキンケアといえるでしょう。
「手術療法」はその名の通り手術を実施してワキガの原因を元から断ってしまうというものです。
これにはいくつかの種類があります。
それぞれの方法の最新情報を調べてみました。
目次
保存療法の種類について
保存療法はデオドラント剤などを使いながらわきの下を清潔に保ち、臭いの原因菌の繁殖を少しでも抑えようというものです。
基本は脇の下を清潔に保つこと。
そのためには以下のようなことを行って行く必要があります。
毎日きちんと入浴する(シャワーを浴びる)
毎日きちんと入浴し脇の下を洗浄し清潔に保ちます。
入浴については湯船に浸からなくてもシャワーだけでも良いので毎日必ず入浴する(シャワーを浴びる)週間をつけましょう。
衣類はきちんと洗濯する
これも入浴と同じくきちんと毎日洗濯をしましょう。
若い人の一人暮らしの人などは洗濯が面倒で何日も同じ服を着てしまうことがあるかもしれません。
しかし、これはNGです。
毎日衣類の洗濯をして清潔に保ち、原因菌の繁殖を防ぎましょう。
特に下着類は必ずです!
アルコールなどで脇の下を清潔に保つ
これもアルコールだけでなく逆性石鹸などを利用しても良いでしょう。
こちらは朝晩の2回、脇の下を拭き取ることで少しずつワキガが解消することでしょう。
また、逆性石鹸とは消毒用の殺菌石鹸のことです。
デオドラント剤を上手に使う
毎年夏になると様々な種類の制汗剤(デオドラント剤)が発売されます。
デオドラント剤は主に汗の臭いを抑えるものや汗の分泌を抑えるもの脇の下の最近を殺菌するもの、酸化分解を抑えるもの、臭いを取るもの良い匂いでマスキングするものなどの種類があります。
基本的には市販されているデオドラント剤はこれらの成分をバランスよく配合しています。
どんなデオドラント剤を選ぶかは好みもありますが本来はスプレータイプはサッパリ涼しく夏は気持ちが良いのですが持続性や効果などを考えた場合に女性にはオススメできますが男性の場合にはあまりオススメできません。
詳しい説明については過去記事で紹介しています。
オススメの最新デオドラント剤
現時点で最新のデオドラント剤で最強なのは資生堂「Ag+」の進化系「Ag24」でしょうか。
元々銀の殺菌力で汗や皮脂の臭いを元から防ぐものでした。
さらにそこから進化したAg24は汗を抑える機能を持ちつつ肌ケアも充分考慮しています。
銀のイオンの効果とは
デオドラント剤に「銀イオン」が活用されるようになったのは最近のことでしょうか?
しかし、銀そのもののの消臭効果については昔からよく知られています。
銀には殺菌効果があり伝染病などを抑制するために古来より食器などに使われています。
細かな効果についてはここでは割愛しますが様々な菌の抑制に効果があることがわかっています。
銀により抑制される菌の一例として以下の様なものがあります。
ブドウ球菌 サルモネラ菌 ポリオウイルス ロタウイルス ヘルペスウイルス
また、銀は食品添加物にも認可されるほどの安全性がありますから人体への有害性はあまりないと考えてよいでしょう。
ときどき、「水銀」と「銀」を混同してしまって不安に思う方がいるようですが「水銀」と「銀」は日本語での表記が似ていますが全く別の物質です。
銀を液状化したものが「銀」ではありません。
見た目が銀に似ている液体というだけのものです。
また、銀は高い消臭効果もあります。
手術療法の種類について
ワキガ治療の最新情報として手術のことにも触れておきましょう。
手術にはいくつかの種類があります。
手術としては臭いの原因となる汗を発するアポクリン腺を取り除くことです。
その方法のうち、一番有名で実績があるものとしては「剪除法」というものがあります。
剪除法(直視下手術法)
剪除法は直視下手術法という手法です。
「直視下手術法」とは脇の下を切り開いて実際にアポクリン腺を目で見て判断しながら取り除いていく方法です。
直接見て原因を取り除いていきますから効果も安定します。
アポクリン腺は粒状のもので目で見てわかるものですから確実です。
ただし、脇の下を切り開く際に以下のような「非直視下手術法」(目で見ない手術)に比べ切開の範囲が広くなるため傷口の後処理が必要となり腕の挙動に制限があったりします。
皮下組織吸引法(超音波吸引)(非直視下手術法)
皮膚の一部を少しだけ開きそこからアポクリン腺を吸引するほうほうです。
イメージとしてはダイエットで行う脂肪吸引を想像していただくとわかりやすいでしょう。
この方法は傷は少なくて済みますがアポクリン腺を確実に切除できたかの判定が難しいため技術のある医師でも効果の約束が難しい状況です。
その他の治療方法
これまでの治療「保存療法」「手術療法」の他にも一時的な療法も存在します。
一時的と言っても1年程度は効果があるものありますから人によっては充分に費用と効果の検討価値があるでしょう。
電気凝固法
高周波脱毛の延長上の手法です。
高周波脱毛では電極針を毛根に指し電気を流すことで脱毛します。
この電極針をあと5mmm程度深く刺し電気を流すことでアポクリン腺も熱凝固できて臭いの元を断つということです。
ただし、基本的には脱毛となりますから脱毛の延長上で考えられる場合にはオススメできます。
脱毛を望まない場合には選択できない手法となります。
ボトックス注射法
ボトックス注射は元々は顔のしわ取りなどに利用されている美容注射の一種です。
この注射をわきの下に打つことで脇の下の汗を6割以上抑えることができるようになります。
汗が出ないということは必然的に臭いの元が減るわけですから臭いも減らすことができます。
しかし、効果が早い人で3ヶ月程度しか続かないこともありますから費用と効果のバランスが取れないこともあります。
長い人であれば1年以上の効果が期待できますから毎年春先などに注射を打つことで夏場の汗を抑えることもできます。
比較的安全な療法ですが妊婦さんは控えたほうがよいようです。
ミラドライ
最新療法の「ミラドライ」
療法としてはマイクロ波(電磁波)を照射することでアポクリン腺を破壊し臭いの元を断つ療法です。
半永久的な効果があり汗腺だけに反応するために安全だと言われています。
効果もあると言われていますが実際には実施例が少なめです。
手術のように切開はしないままアポクリン腺を殺すので効果は長く持続します。
費用は30〜40万円と高いのですが効果は相応の期待できそうです。
レーザー脱毛による副産物
確実な効果を期待できるかは確証がありませんがレーザー脱毛をすることで脇の汗が減ることもあるそうです。
レーザー脱毛とはレーザーで毛根を殺してしまう脱毛療法ですが実際に皮膚の表面に少なからず影響があり汗が出にくくなることがあるようです。
わきの下の臭いや汗が気になる人にとっては嬉しい副産物といえるでしょう。
基本的にはそのことが何か問題になるということはないようです。
まとめ
ワキガの治療と一言で言ってもさまざまな種類があります。
制汗剤などで発汗を抑えるだけの方法や大掛かりに手術をする方法。
それぞれにメリット、デメリットがありますからそのあたりを良く考えての処置が必要だともます。
また、どんな方法であれ100%の効果はありえませんからメリット、デメリットの他に効果の期待値も確認しておいたほうが良いでしょう。